
本来は前立腺肥大の治療に使用されていた薬のフィナステリドですが、その研究の過程で男性型脱毛症のケースで毛髪の成長が発見されたのです。その後、1997年に米国で男性型脱毛症の治療薬として認可され、後には世界60か国以上で承認された、発毛剤としては代表的な薬なのです。
承認の遅れていた日本では2005年12月に厚生労働省の承認を経て、万有製薬からプロペシアの商品名で発売になりました。このプロペシアは、男性脱毛症の原因である5αリダクターゼの活動を阻害することで知られています。なお、プロペシアは市販薬ではないので、入手には医師の診断・処方箋が必要になります。
このプロペシアと発毛治療の際に併用して使われる場合が多いのがミノキシジルで、フィナステリド錠(プロペシア)が登場する前までは発毛治療で主流だった育毛剤成分のことです。
このミノキシジルは当初、血圧降下剤として高血圧患者の治療に使われていた成分ですが、治療経過の中の副作用として多毛症が認められたことから、薄毛・抜け毛に対する育毛剤として使用されるようになりました。この経過は前述のプロペシアと類似していますが、ミノキシジルとの効能での大きな相違は、脱毛症に対する働きかけです。
ミノキシジルの場合は、発毛自体を促進することが目的になり、脱毛症によって薄毛になった部分の発毛・育毛機能を刺激・促進して髪を生成させる働きがあります。それに対して、プロペシアの場合は薄毛・脱毛の最大の原因であるDHTの作用を抑制することによって薄毛の進行を抑え正常な育毛サイクルを回復させる働きがあるのです。
このようにAGAに対してそれぞれ作用の違う成分のために、AGAにおける治療ではプロペシアとミノキシジルを併用して処方する場合が多いのです。